プレッシャーがかかると前の癖が出やすい理由

当ブログ管理人の森岡尚之です。トロンボーン奏者、アレクサンダーテクニーク教師です。

お読み頂きありがとうございます。

 

 

2013年から、ボディチャンスという学校でアレクサンダーテクニーク教師の資格を取るための勉強を始めました。

現在はその学びを活かしながら様々なジャンルの音楽家とレッスンをしています。

この勉強を始めたのは、僕自身がトロンボーンを演奏するときに抱えていた不調や悩みと向き合い、改善するためでした。

その学びの中で、不調と向き合うための基礎となった考え方があります。

 

 

まず、僕の抱えていた不調というのは(ここではなるべく要約しようと思います)

アンブシュアやブレス、タンギングなどの発音に関わる技術を以前のようにコントロールできなくなったことです。

もうひとつは演奏中の背中や腰の痛みがひどくて、1日の練習の後には頭痛と発熱に悩まされていました。

はっきりと自覚するようになったのは大学生の途中からです。(中学や高校時代にも同じ不調を経験していたことを後になって思い出しました。)

はじめは日によって好不調の波があるという程度の認識でしたが、本番や直前の練習で起きることが多かったため「あがり」のように精神的なものが原因だと思っていました。

大学生活の中この不調を繰り返し経験していくうちに、どんどん悪循環となり、卒業するころには楽器を諦めざるを得ないと考えるほど深刻な悩みとなっていました。

こういったケースで、どんな対処法が有益なのか当時は全くといっていいほど情報を持っていなかったと思います。

それでも、自分なりにレッスンやアドバイスから得た情報を実践していくうちに僅かながら良くなっていく手応えもありました。

ただ、どういうわけか演奏しようとする瞬間-それも自分にとって大事な場面であればあるほど、取り組んできたことがまるで嘘のように、調子の悪い頃の状態に戻ってしまうのです。

自分に染み付いたクセを変えることは難しく、何度も何度も心が折れました。

 

 

 

【学びたいことは、自分で判断・選択していけばいい。

初めてボディチャンスの先生にレッスンを受けたとき、いくら処方された良い方法を実践しようしても、前の身体の使い方の癖を続けていては、根本的な解決にならないということを知りました。

癖(…そう呼ぶとやっかいな印象がありますが)は、これまで自分が何度も繰り返して身につけてきた技術とも言えます。

その技術が今までの演奏に役立ってきたことも事実。

なので実践しようとしている新しいやり方と比べると、信頼を勝ちとってしまいやすいのです。

 

その上不調を改善するために、新しい情報を仕入れてはやみくもに取り入れ練習していましたから、余計に演奏することが複雑で窮屈なものになっていきました。

最初のアレクサンダーテクニークのレッスンで提示されたことは、新しく身体の使い方や奏法の情報を言われたままに取り入れたり、闇雲にリラックスして全てをゼロにする、ではなく自分自身で必要なこと、有効なことを実験し、検証し、そして選択することでした。

 

僕が受けたアレクサンダーテクニークのレッスンは、先生に言われるがままになり、それを信じ込ませるようなものではありませんでした。客観的な意見をくれ、またそれを元にアイデアを提供し、それが役にたつかどうかや自分自身でどんな気づきを得られたかとても丁寧なやりとりをしてくれたのを記憶しています。

 

そうか、自分自身で判断していくものなんだ。自分自身で選択していけばいいものなんだ。そう思うだけでもスッと心が軽くなり今まで自分を窮屈にしていた縛りがとれたような気分でした。

もちろん、楽器を演奏するときの身体の使い方についても、具体的なアドバイスをくれ以下のような効果を実感できました。

楽器ってこんなにシンプルで、楽に音が出るものなんだ。

いつもと全然違う身体の感覚なのに、音が出る。

楽器を構えたときに、身体の痛みが少ない。

 

また、身体の使い方というのはその場の環境や状況なども関わっていて、

その場ですぐ結果を出さないと叱責されたり落胆されるような場ではない。そういったプレッシャーがないことも自分を安心させ余計な力みや緊張を起こさずに済んだのだろうと思いました。

 

この体験だけで問題が全て解決したわけではありませんが、いつもの(前の)パターンから解放されて違うやり方を選んで演奏したという体験は、自分はまだ楽器を続けられる、上達できるんだという可能性を感じさせてくれました。

 

いつもと違う感覚がしたのは、いつもとちがうやり方を選択した結果と言えます。逆に、しっくりとくる感じや正しいと感じられる感覚を確かめることは、言い換えると「慣れ親しんだ感じ」に頼るということで、前のパターンに戻りやすいという理解につながりました。結果を出さなきゃいけないと感じるようなプレッシャーのある状況でそうなりやすいことも頷けます。

 

 

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執筆者 森岡尚之 もりおか なおゆき
芸大でアレクサンダーテクニーク教えてます。大学の専攻はトロンボーンでした。プロフィール

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